遺品整理と生前整理
2019-11-22
垣谷美雨の 「姑の遺品整理は、迷惑です」を読みました。

2019年 2月発行 双葉社
こういう下世話でしかも時宜にかなった素材を扱わせたらピカイチの垣谷さんが書く
今我々団塊の世代にとっての切実な問題。
脳梗塞で急死した姑が一人で住んでいた、エレベーター無しの4階のアパートへ
遺品整理に行くお嫁さんの話です。
3DKの住まいにぎっしりと詰まった物、物、物。これを、業者にも頼まず何とか
片付けようとする。その絶望感、やるせなさ、イライラが、ひしひしと伝わってきます。
一方、お嫁さんの実母は、癌だと分かった時から生前整理を始め、
形見分けも生前に済ませてきれいに亡くなります。
その対比も描かれます。
が、やがて、どちらがいいとも立派とも言えない事に気付いていくのです。
そして、垣谷さんの小説の「お約束」である、助っ人がちゃんと登場し、
最後はめでたしとなるから、安心して読めます。
・・にしても、親がおびただしいモノや、田舎の広い敷地に建つ大きな家や
田んぼ、山などを残して死ぬと、跡取りなど同居していない今の時代、
子供たちがどれほど困惑することになるかも書いてあります。
我が家でも、そのへんが一番の心配の種でした。
それゆえ、今年一年かけて、母屋と自宅の整理に着手したわけなのです。

ハッキリ言って、片付けはものすごく大変です。
元気なうちに、物を減らす、物を溜めない努力はしておいた方が良いと思います。
どんなに懐かしい物でも大事にしていた物でも、本人が死ねばすべてゴミです。
我が家は来年、老夫婦の暮し自体を縮小する予定です。
(9:12)

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