がんは放置せよ?
2019-06-25
近藤誠医師。がんは放置せよの理論で有名です。
出す本出す本よく売れるから、その理論は認知度が高いでしょうし
信者も多いのでしょう。


2016年に亡くなった免疫学者の安保徹氏も、がんの三大治療は受けてはいけない、
と主張しています。
手術、抗がん剤、放射線、どれも辛い治療です。
「放置すればいい」「三大治療は受けないで免疫力を上げる努力を」
と言われたら、飛びつきたくなりますよね。
理論的裏付けが欲しくて、著書を読み漁りますよね。
実際放置しても生きている人も中にはいるでしょう。
でも、手遅れになって命を落とした人も沢山いるはずです。
私は医学のド素人ですから、言えるのは自分の体験だけですが。
私は2007年にS状結腸癌I期bが見つかり、即手術しました。
直径は3.5㎝を超えていて、内視鏡による切除は出来ないから腹腔鏡による手術でした。
がんのある腸の部位を10㎝ほど切り取ってからつなげたのです。
大腸癌の早期なので術後の抗がん剤も必要なし、ということで、
5年間の経過観察も何事も無く、術後12年目になりますが元気です。
あの時もし、「放置」していたら、がん細胞は粘膜を突き破って増殖し、
血液に乗って転移し、ステージは上がり、抗がん剤治療に苦しむことになったのは
間違いありません。今頃は生きていなかったかも。
なぜ早期発見できたかというと、たまたまその時実母が横行結腸癌の治療中で、
「体質が遺伝するかもしれないから検診やっておこうかな」という動機で
内視鏡検査をやったらビンゴだったという訳です。
母が私の命を救ってくれたのかな、と今にして思います。
母は腸閉塞一歩手前で手遅れに近い状態でしたが
手術後1年くらい、抗がん剤をやりながらも副作用は軽く、元気に過ごしました。
毎月のように花の綺麗な公園やお寺へ、母をのせてドライブしました。
だんだん抗がん剤が効かなくなってきてから2か月で亡くなりました。
あの頃の自分は、癌について知識として知ってはいるつもりでいたけれど
実は何にも分かっていなかったと思います。
母の治療についても、すべて医者任せで質問さえすることが出来ませんでした。
今は、ネットで調べれば(情報は玉石混交ですが)大概の事は分かります。
医者に「お任せします」ではなく自分でも情報を得る努力をすることは
大事だと思います。
ともかく、病気に立ち向かおうと必死な人に
間違った情報を与えることだけはやめて欲しいです。

(9:18)

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