最近読んだ本
2018-09-30

青くて痛くて脆い 住野よる
タイトルそのまんまの内容。大学生が主人公。女子学生の方は、前半で
「もうこの世界にいない」と書いてあったので、てっきり自殺したんだと
早合点してしまった。どうしてそんなことに?と思いながら読み進めて
行った。今時の小説だなと思うのは、SNSがさかんに使われていること。
登場人物の性格の描き分けや、いまどきの若者の会話文がうまい。

作家刑事毒島 中山七里
メチャ面白かった。こういう、皮肉たっぷりのブラックユーモア系は
好み。奥付に、「この物語は完全なるフィクションです。現実はもっと
滑稽で悲惨です」などとしれっと書いてあるのも可笑しい。作家志望
の人はこの本を読んだらまさにギャフンだろう。

合理的にあり得ない 柚月裕子
嵌められて弁護士資格を失った美人元弁護士が、天才的頭脳を持った男性助手
と探偵事務所を起こし、どこにも頼めないような難問題を解決していくという話。
設定も、ストーリーも、「現実にはあり得ない」感が否めない。まあ、漫画のような
もの。

3月30日 千原ジュニア
TV「プレバト」で見て、この人の芸術的センスの良さ、頭の良さに感心し、
本にどんな事を書いているのか興味を持って読んでみた。
引きこもりから、お笑いデビュー、バイク事故による大怪我など、波乱万丈の
人生に驚いた。成程ね。普通のお笑い芸人とちょっと違う雰囲気の理由は
その辺だったのか。

悪魔と呼ばれた男 神永学
本の装幀が、黒地に赤い文字の英語。まるでスティーヴン・キングの本みたい。
血生臭い猟奇的連続殺人事件が展開する。保身しか頭にない男、暴力的な男、
嫌な奴らがからんで、読んでいて不快。だが、犯人捜しは思わぬ方向へ展開して
いく。読み終わったら、「結構面白かった」と思った。

ホテル・コンシェルジュ 門井慶喜
これはユーモア小説の範疇に入るのだろうか? 作者は至極ユーモラスに
書いているつもりらしいが読んでいてちっとも面白くない。コンシェルジュが
難問を手際よく解決するのかと思えばそうでもなく、変なおばさんと出来損ないの
お坊ちゃまのドタバタに終始するだけ。

身代わり忠臣蔵 土橋章宏
小説、映画、TVドラマ等で散々取り上げられた題材、「忠臣蔵」。
視点を変えたりスポットライトを当てる人物を変えたり、解釈を180度転換
してみたりと、もう描きつくされたかに思われる「忠臣蔵」に、まだこんな面白い
設定が残っていたとは驚きだ。ネタバレするから言わないが、これは相当面白い。
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