「小さき王たち」 全三巻 堂場瞬一
2023-03-27
寒いので読書三昧・堂場瞬一に浸る
2023-03-25
「親の期待に応えなくていい」より「世間と社会」について 鴻上尚史
2023-03-08

これは小学館YouthBooksという、学生のための新書のような本です。
シニアにはもう関係ない内容と言えばそうですが、
中に、「世間と社会」という章があり、とても腑に落ちたので
紹介したいと思います。
東日本大震災の時、被災地で略奪も暴動も起こらなかった
ということが世界で賞賛されました。
が、一方で、駅で大きな荷物を持った女性が階段を上るのに
苦労していても、誰一人助けないので、外人がそれを見て
驚いた、という事実もあります。
要は、日本人には二つの世界があるのです。
つまり、「世間」という、知り合いで成る世界と、
「社会」という、知らない人たちの世界です。
知り合いなら助けるけれど、知らない人には知らん顔。
身内の人とは話すけれど、知らない人とはどう話していいか
分からない。
このような精神構造は、江戸時代の「村社会」から来ている
と著者は言います。
互いに助け合わないと米が獲れず年貢が納められないから。
村社会を維持するためのルール
1.年上が偉い(先輩、後輩という考え方)
2.同じ時間を過ごすことが大切(一緒にいることが「仲間」)
3.贈り物が大切(引っ越しの挨拶のタオルとか・・・)
4.ミステリアス(就活のリクルートスーツ等、訳の分からないルール)
5.仲間外れを作る(まとまる為には敵を作るのが有効)
こういう感じで、「世間」と「社会」を使い分けているのが日本人
だそうです。
ゆえに、知っている人には手を貸すが、知らない人には
話もしないし手も貸さない、ということになるらしい・・。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
私、今までに激しく転んだことが2回ありまして、
1回目は40代の時。地域にある短大でパソコンの講習会があり、
そこに参加した時、学校が休みなので照明を落としていた薄暗い
トイレの入り口のわずかな段差に足を取られて、
眼鏡が吹っ飛ぶくらい激しく転び、
額を床にぶつけました。(後で大きなたんこぶになった)
幸い眼鏡も割れず、後遺症はたんこぶだけでしたが、
その時周囲には数人、同じ講習を受けている人がいたのですが
誰一人「大丈夫?」と声を掛けてくれた人はいませんでした。
私が全く知らない人だったからか、又は、私が転んだことを恥じて
声を掛けて欲しくないと思っている、とでも考えたのだろうか。
2度目は、2020年、このマンションに越して来て1か月ほどたった頃、
裏口から出て歩き出そうとして、車止めのコンクリートに躓いて
やはり眼鏡が吹っ飛ぶほど転んだのですが、かばい手の左親指の
付け根にひどい内出血をしただけで済みました。(奇跡的)

何人かの歩行者がそれを見ていたはずですが、勿論
全く見て見ぬふりでした。
なので私も何事もなかったように眼鏡を拾って歩き出したわけです。
新幹線の中で刃物で襲われた女性をかばって亡くなった男性などは
例外中の例外ではないかと思います。
「世間」と「社会」。いかがお考えでしょうか。
(12:00)

「もう別れてもいいですか」 垣谷美雨
2023-03-02

もう別れてもいいですか 垣谷美雨
これ、夫が図書館から借りてきた本です。
読みながら、「自分もこんな風に思われているのかなぁ・・」
などとつぶやいているので、何が書いてあるのか知りたくて、
夫が読み終わってから貸りて読みました。
もうね、ぎゃ~っ!!って叫びたくなるくらい、共感の嵐です。
この本を読んだら、熟年離婚したい人は勇気をもらえるし、
結婚しても共働きで、と思っている女性は
結婚をためらうでしょうね。
「男のトリセツ」なんか読むより、男の身勝手さが痛いほど分かります。
人類の長い歴史の中で、男は外で仕事、女は家で家事、育児、という
役割分担が染みついていますから、
男は「仕事」を理由に勝手が許され、女房をアゴでこき使い、
家事はすべて女房に押し付けるという構図が出来上がるのです。
そんな夫を持った上に仕事までしたら、
妻は疲弊し、精神的にも肉体的にも追い詰められてしまいます。
そこに手を差し伸べる施策がないのも、
少子化が止まらない一因でしょう。
奴隷女房とワンマン亭主、というだけでなく、有色人種対白人、
社員対経営者・・・虐げられ、踏みつけにされる構図は
世の中の何処にでも転がっているのです。
とにもかくにも、一読をおすすめします。
特に、仕事を言い訳に家事を全くしない男性、必読。
あなたの将来はみじめですよぉ。

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
今日は「ミニチュアの日」なんだそうです。
ミニチュア、なごみますねぇ。(´pωq`)


(12:45)

「母親からの小包はなぜこんなにダサいのか」 原田ひ香
2023-02-17

2021年9月発行 中央公論新社
長ったらしくて変わったタイトルに惹かれて借りてきました。
短編が六話入っていて、すべて小包にまつわるお話です。
そして、どこにでもありがちで、それでいながら
一つ一つ違う、母と娘の結びつきの形。
第一話では、進学で上京した娘と、地元に置いておきたかった
母親とのせめぎ合い。母の反対を押し切って上京し、
短大に入って都会の生活に徐々に慣れていく様子が微笑ましい。
ところが、第二話、第三話と読み進むうち、実に、
100人の人間には100通りの人生があるのだということを
ひしひしと感じさせずにはおかない筆力で迫ってきます。
そして第六話のラストでは、遂に私の涙腺は崩壊しました。
これだけ「ドバッ」と泣いたのは久しぶり。(疲れた)
目が腫れました。( ̄^ ̄)
(13:25)
